BCP策定推進フォーラム2021開催レポート ~事例2~

台風をきっかけに策定したBCPがコロナ対策にも役立った
対応をフロー図化し、チャットを多用
株式会社タカミエンジ 代表取締役 室田正博氏

当社がBCPに本格的に取り組み始めたのは、2018年に関西を襲った台風21号がきっかけでした。関空大橋に大型タンカーがぶつかったほか、南大阪一帯や北部地域が停電し、大きな被害を受けました。当社の本社は大阪市城東区にありますが、台風の影響でシャッターが壊れ、電気工事用の車両や工具、材料が出せなくなるなど、大変な思いをしました。お客様の経営もそうですが、私ども自身の会社の経営に不安を覚え、BCPに取り組まないといけないと思いました。
BCPの大切さを痛感した台風の1ヶ月後、社内でBCPを策定することを私が意思決定し、内閣府や中小企業庁、書籍などの情報を集めてBCPを策定しました。全ての備品を揃えていこうということで、まずは電源の準備から一つ一つ整えていきました。
当社では、BCPを策定する前から社内用のチャットを活用しています。BCP/BCMを導入する際、このチャット内に「緊急用BCP」というグループを作り、そこでやりとりを始めました。日常の中でタイムリーに情報交換ができ、指示ができ、現場でも動いていける仕組みがなければ、BCMによるマネジメントはできないと思いましたので、このチャットを使ってやっていこうと考えました。
まずは社員に浸透させるため、会社が発信し、社員が必ず返すという模擬訓練を2度ほどやりました。その年の7月と10月に大きな台風が発生しましたが、早速、台風の情報を気象庁などのページから収集して、社員のみなさんに伝えました。また、建築中の現場や、外に置いている材料やブルーシートの飛散防止、怪我をしないようにといった情報や指示を伝えました。工期や業務への責任もありますが、身の危険を感じたら、「今日は休みます」、「明日は来ないです」などと必ずお客様に伝えるように指示しています。

チャットでコロナ情報共有

2020年2月に新型コロナの感染拡大が始まり、緊急事態宣言が発表される前後の頃、コロナ対策についても情報を収集し、発熱・陽性の場合の対応について、大阪と東京の自治体の仕組みに合わせたフロー図を作りました。これも社内で一斉メールを送り、チャットでの確認を促しました。
このように、当社では、緊急を要する台風やパンデミックへの対応に関するやりとりで、常日頃から社内チャットを有効に使っています。
去年からワクチン接種が始まりましたが、住んでいる地域によって接種の状況に差が出ており、感染拡大が懸念されたため、社内でPCR検査キットを購入して自主的に検査をしていくことになりました。ワクチン接種済みの人は1ヶ月に1度、未接種の人は2週間に1度。これもBCPのチャットで社員のみなさんに連絡し、検査キットを机に配り、検体を収集して総務の人がチェックし、検査機関に回すという仕組みを作りました。
そのほか、このチャットでは、BCP向けのことなら何を投稿してもよい流れになっています。ワクチン予約が可能な病院の情報を送ってくれた社員もいます。今年1月末には、女性の社員の方が小学生のお子さんから感染しましたが、それもこのBCPのチャット内で情報共有しました。感染した方からも情報が送られ、復帰の見通しなども共有できました。
今年に入り、濃厚接触者の基準が変更されたことも、大阪府のホームページから情報をまとめて社内のクラウドで共有しています。このように情報をいち早くチャットで共有しながら、事業が継続できるようにリアルタイムに意思決定を行っています。

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